◎ボリス・ジョンソン首相「交渉が崩壊したとしても、イギリスは力強く反映する」
◎EUはイギリスが提示した漁獲割当量に猛反発している。
2020年12月21日 AP/イギリス、ロンドン、ボリス・ジョンソン首相

ブレグジット後の貿易協定交渉の行き詰まりとコロナ危機に直面するイギリスのボリス・ジョンソン首相は、ブレグジットへの移行期限(12月31日)の延長を除外した。

一方、スコットランド国民党のニコラス・スタージョン議員とロンドンのサディク・カーン市長は合意にはもう少し時間がかかると主張し、ブレグジット後(12月31日以降)もEUの貿易規則に従うことを望んでいる。

ジョンソン首相は12月21日の記者会見で、「交渉が崩壊したとしても、イギリスは力強く反映する」と語った。

イギリスとEUの交渉担当者は、漁業権をめぐる交渉で完全に行き詰まったと伝えられている。

ジョンソン首相は「英海域の漁業の主権はイギリスにあり、EUはこちらのルールに従うべき」と主張している。

これに対し、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、「EUのルールに従わない限り、合意はない」とジョンソン首相の要求を却下した。

ボリス・ジョンソン首相:
「イギリスは自国の法律に従わなければならない。つまり、私たちは自国の海域の漁業を管理する。この原理を理解することが重要だ」

EUは交渉期限を12月20日に設定していた。

EU議会のブレグジット首席担当、ドイツのデイビッド・マカリスター氏はAP通信の取材に対し、「通常の手続きで合意に至ることは不可能」と語った。

デイビッド・マカリスター氏:
ブレグジットへの移行期間の延長もあり得る。あらゆる可能性を検討しなければならず、そして、検討を開始するためには双方が納得しなければならない

フランス政府のガブリエル・アタル報道官は記者団に対し、「私たちは合意を望んでいる。私たちはできるだけ多くのEU漁船がイギリスの海域でこれまでのように漁を行えることを望んでいる」と述べた。

<イギリスとEUの溝>
・EUはイギリスが提示した漁獲割当量に猛反発している。

・イギリスは新貿易協定の漁業規則に適応する移行期間を3年と主張しているのに対し、EUは6年を望んでいる。

12月20日、イギリスの一部エリアはクリスマスロックダウンに突入した。

2020年12月21日 EPA/ベルギー、ブリュッセル、英デイヴィッド・フロスト首席交渉官(左)

合意なきブレグジットが現実になった場合

・世界貿易機関(WTO)のルールが適用され、商品に高い関税がかかる。

・厳しい承認過程と税関検査が導入される。

厳しい承認過程と税関検査が導入されることで、大型トラックの大渋滞が発生する。生鮮食品の輸送は特に影響を受けやすい。

・イギリスの領海内での漁業が制限される。また、魚の輸出にも関税がかかるため、漁業関係者は大打撃を受ける。

双方の間で売買する商品の価格が上昇する可能性がある

EPA/イギリス近海

イギリスのクリスマスロックダウン(12月20日~)

制限は12月30日に見直される

・必須小売店(食料品店、薬局など)以外はすべて閉鎖。
・ジムと屋内プールは閉鎖。屋外プール、スポーツコート、ゴルフコースは営業可能。
・ティア4エリアの市民は、限られた理由(仕事、教育など)を除き旅行禁止。
・共同の宗教施設(礼拝所など)は営業可能。
・結婚式などのイベントは原則禁止。
・クリスマスパーティは最大2世帯まで。
・ティア4エリアの市民はクリスマスパーティに参加できない。
・他の世帯に会う場合、できるだけ早く、少なくとも5日間、不要な社会的接触を停止する。
・クリスマスパーティは個人の家や庭、礼拝​​所、公共の屋外スペースでのみ開催可能。
・子供もガイダンスに従うこと。
・別居中の親とその子供の接触は免除される。

<70歳以上の方への注意事項>
・可能な限り、屋外で人と会うこと。
・定期的に手を洗う。
・社会的距離を確保する。
・屋内で会う場合、換気を徹底する。

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