イギリスのボリス・ジョンソン首相と欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、ブレグジット後の貿易協定をめぐる交渉の膠着状態の打開を目指している。
1週間の集中協議を終えた双方の交渉担当者は、2人の指導者に「重大な相違がある」と呼びかけた。
イギリスはEUの貿易ルールから離脱する12月31日までに新しい取引を成立させなければならない。
当局者によると、「ほとんどの交渉を終えているが、重要な問題は未解決のまま」だという。
残された主要議題は、「漁業権」「事業に対するEUの補助金を管理する規則」「協定の取り締まり方法」など。
イギリスの交渉担当者に近い情報筋によると、「関係者は成立するという楽観的な見通しを示していたが、EUの要求が交渉を狂わせた」と述べたという。
EUは、「EUの漁船」がイギリスの水域に10年間アクセスできる権利を要求している。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、イギリスの海域内での漁業権をブレグジット前とほぼ同じ状況に保ちたいと望んでいる。
一方、ドイツのアンゲラ・メルケル首相の報道官は、「妥協の余地は常にある」と述べた。
取引
EUの首席交渉官、ミシェル・バルニエ氏とイギリスのデイヴィッド・フロスト氏は声明の中で、「公平な交渉で統治および漁業の相違を打破する必要がある」と述べた。
ミシェル・バルニエ主席交渉官:
「行き詰まりに伴い、双方は交渉の進捗状況を指導者に説明する間、交渉の一時停止に同意した」
問題点を含む交渉が合意に達した場合、双方は法的文書に署名したうえで、全EU加盟国の言語に貿易協定書を翻訳し、欧州議会に提出、批准する必要がある。
また取り引き内容によっては、イギリス政府と27のEU加盟国も、議会に協定書を提出、批准しなければならないかもしれない。
2021年1月1日から変わること
・イギリス政府はEU市民に移民システムを適用する。
・旅行規則が変更されるため、双方の市民はパスポートをチェックしなければならない。
・健康保険と運転資格の見直しも必要。
・イギリスはEU予算の支払い義務から解放される。
・双方の企業は取引の際、より多くの事務処理に直面する。