▽スエズ運河は世界で最も重要な水路のひとつであり、この地域だけでなく世界中の貨物船が利用する。
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エジプトのスエズ運河庁は16日、スエズ運河の24年の通行料収入が約60億ドル減少したと明らかにした。
それによると、昨年スエズ運河を通過した船舶は1万3213隻で、23年の半分以下に減少、収入は39億9100万ドル。23年は過去最高の102億5000万ドルであった。
スエズ運河は世界で最も重要な水路のひとつであり、この地域だけでなく世界中の貨物船が利用する。
その収入はエジプト政府の重要な外貨獲得源である。
イエメンの親イラン武装組織フーシ派は先月、イスラエル軍がパレスチナ・ガザ地区への攻撃を再開したことを受け、紅海やアラビア海、アデン湾などを通過するイスラエル船舶への攻撃を再開すると主張。米政府はこれを受け、フーシ派に対する軍事作戦を開始した。
フーシ派は23年10月にガザ紛争が始まって以来、イスラエル領内だけでなく、紅海やアデン湾の船舶を100回以上攻撃した。
この間、フーシ派は2隻の船舶を沈没させ、1隻をシージャックし、少なくとも4人の船員を殺害した。この攻撃は世界の海運を混乱させ、多くの企業がスエズ運河を避け、アフリカ南部喜望峰を周回する、より長く、より費用がかかる航路への変更を余儀なくされた。
フーシ派はガザ紛争が続く限り、この海域の船舶への攻撃を続けると主張している。
スエズ運河庁はウェブサイトに掲載した声明で、「紛争はこの地域の海運に大きな影響を与えているが、エジプト政府がスエズ運河の航行と海上サービスを提供し続けることを妨げるものではない」と強調した。
国際通貨基金(IMF)は24年3月、紅海で船舶が襲撃されたことを理由に、スエズ運河の貿易額が同年1~2月に前年から50%減少したと報告していた。