▽ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は16日午前の時点で5万1025人、負傷者は11万6343人となっている。
.jpg)
イスラエル軍が16日、パレスチナ・ガザ市などへの空爆・砲撃を継続し、過去24時間で少なくとも15人が死亡、数十人が負傷した。保健当局が明らかにした。
それによると、市内の避難所に砲弾が着弾し、女性を含む数人が死亡したという。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラは目撃者の話しとして、「ガザ市中心部の避難所として利用されていた2階建て民家にミサイルが着弾し、大勢が瓦礫の下敷きになった」と伝えている。
イスラエル軍はコメントを出していない。
イスラム組織ハマスは16日、エジプトの首都カイロでエジプトとカタールの調停者と間接協議を進める中、イスラエルが提示した案について、「イスラエル軍のガザからの完全撤退が必要不可欠である」と強調した。
しかし、イスラエルのカッツ(Israel Katz)国防相は16日、自軍はガザの占領地域に無期限に留まると言明。占領地を「安全地帯」と呼んだ。
またカッツ氏はガザ封鎖の解除が求められる中、「イスラエルはハマスに対する圧力として食料を利用している」とし、「ハマスが行動を起こさない限り、封鎖は解除されず、ガザに援助は入らない」と主張した。
イスラエルは7週間前にガザ国境を封鎖。それ以来、物資の搬入は完全に滞っている。
この結果、地区内のパン屋は全て閉鎖。負傷者の治療に必要な医薬品の大半が枯渇する事態となっている。国連は「未曽有の大飢饉」が迫っているとして、イスラエルに封鎖を解除するよう呼びかけている。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は16日午前の時点で5万1025人、負傷者は11万6343人となっている。
イスラエル軍が3月18日に空爆を再開して以来、1800人近くのパレスチナ人が殺害され、40万人以上が強制退去を余儀なくされた。
多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。
トランプ米政権の人質問題担当大統領特使であるベーラー(Adam Boehler)氏は16日、「イスラエルの捕虜が解放されて初めて、ガザにおける包括的な停戦協定が可能になる」と表明した。
ベーラー氏はカッツ氏との会談後、声明で、「今重要なのは、すべての人質、罪のない人質を解放し、連れ戻すことだ」と述べた。
カッツ氏もこれに同意し、「人質が解放されない限り、封鎖は解除されず、協議も進まず、イスラエル軍はガザの軍事的プレゼンスを維持するつもりだ」と述べた。「ハマスは人質を解放する必要がある。ハマスが人質をとっているのであれば、協定を結ぶのは難しい。当然ガザ封鎖も解除されない。彼らは人質を解放すべきだ...」
ベーラー氏はこう強調した。「トランプ(Donald Trump)大統領はすべての人質が解放されるまでは何も進展ぜす、ずっと今の状態が続くと言っている」
イスラエルは最新の間接協議で取引条件の変更を求め、▽パレスチナ人捕虜と引き換えにガザで拘束されている生存者のうち11人を解放すること▽停戦延長をハマスに要求している。
またイスラエルは▽ハマスの武装解除▽指導者たちをガザから追放▽ガザの支配権をイスラエル軍に引き渡すことを望んでいる。
これに対し、ハマスはイスラエルに戦争の即時終結を求め、イスラエル軍がガザに対する攻撃を再開することを可能にする部分的な停戦は受け入れられないと主張している。
またハマスはエジプトが主導するガザ再建計画で提案されているように、ガザの支配権をパレスチナ自治政府に譲る用意があるとしているが、イスラエルによるパレスチナ領土の占領が続く限り、武装解除には応じないとしている。