▽欧州諸国は部分停戦を監視するメカニズム(停戦監視団の配置など)が必要と訴えているが、実現するかどうかは不透明な情勢だ。
.jpg)
ウクライナのゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)大統領は27日、ロシア軍が南部へルソン州のエネルギーインフラを攻撃し、米国仲介の部分停戦に違反したと非難した。
ゼレンスキー氏はウクライナ支援有志国による首脳会談後、パリの記者団に対し、「これがロシアのやり方だ」と非難。「米国は行動で対応すべきだと確信している」と表明した。
またゼレンスキー氏は米国が仲介した黒海での攻撃停止にロシアが条件を付けたことについて、「ロシアに無条件の攻撃停止を迫るのに十分な力を米国が持っていると期待している」と強調した。
黒海での軍事行動を凍結し、両国のエネルギーインフラへの攻撃を一時停止することを目的とした、米国仲介の部分停戦が発効したにもかかわらず、国境を越えた攻撃は続いている。
ヘルソン州のウクライナ当局は27日、州都ヘルソン市の駅がロシア軍による大規模な砲撃を受け、少なくとも2人が死亡、鉄道インフラが損傷したほか、電力供給が一部遮断されたと明らかにした。
南部ザポリージャ州のウクライナ当局もロシア軍による26日深夜から27日未明の夜間砲撃で一部地域の電力インフラが損傷し、停電が発生したと報告している。死傷者の情報はない。
東部ハルキウ州政府は27日、ロシア軍の大規模ドローン攻撃で少なくとも11人が負傷したと発表。集合住宅などが被害を受けたという
ウクライナ空軍は27日、ロシア軍が発射したドローン86機のうち42機を撃墜、26機を電子戦で無力化したと報告した。
一方、ロシア当局はウクライナ軍が西部クルスク州とブリャンスク州のほか、ロシアが占領しているクリミア半島にあるエネルギーインフラをドローンで攻撃したと主張した。
ルビオ(Marco Rubio)米国務長官はウクライナおよびロシアと結んだ合意について、「あくまで原則的なものであり、米国はロシアが提示した条件を検証し、今後の対応を決定する予定」と表明している。
欧州諸国は部分停戦を監視するメカニズム(停戦監視団の配置など)が必要と訴えているが、実現するかどうかは不透明な情勢だ。
今週サウジアラビアで行われた会談後、ホワイトハウスは「ロシアとウクライナのエネルギーインフラに対する攻撃を禁じる合意を実施するための措置を策定する」ことで合意したと発表していた。
ゼレンスキー氏は会見の中で、「ロシアの要求と主張に対抗するために、米国を中心とする西側諸国が強固な姿勢を維持することを望む」と表明した。