▽ウクライナと他の欧州諸国はトランプ氏がウクライナに不利な形でロシアと取引するのではないかと懸念している。
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EUのカラス(Kaja Kallas)外交安全保障上級代表は20日、ウクライナ戦争終結に向けた米露協議について、「ロシアはウクライナの領土併合という目標を放棄しておらず、米露の宥和は危険なシグナルを送る」と警告した。
トランプ(Donald Trump)米大統領は先週、プーチン(Vladimir Putin)露大統領と電話会談を行い、ウクライナ戦争終結に向けた交渉を直ちに開始することで合意した。
これにより、ウクライナ問題でロシアを孤立させようとする西側の3年間の努力は突然打ち切られた。
ウクライナと他の欧州諸国はトランプ氏がウクライナに不利な形でロシアと取引するのではないかと懸念している。
カラス氏は南ア・ヨハネスブルグで開幕したG20外相会合の傍ら、記者団に対し、「ロシアは最大限のプラスアルファを望んでいる」と語った。
またカラス氏はロシアとの関係正常化を望むトランプ政権が譲歩すれば、「世界中の侵略者に誤ったシグナルを送る」と警告した。「それが現実になれば、世界中の侵略者、侵略国家に、あなたならできるという誤ったシグナルを送ることになる...」
カラス氏はトランプ政権を念頭に置き、「ウクライナ戦争を終わらせるためにロシアに政治的・経済的圧力をかけるべきなのに、一部の国は調停に集中しすぎている」と指摘した。
またカラス氏は「ロシアが平和を望んでいないという点が見落とされている」と主張した。
さらに、停戦前にウクライナに平和維持軍を派遣するという欧州首脳による協議は時期尚早という考えを示した。
トランプ氏とプーチン氏による対面形式での首脳会談の日程はまだ決まっていない。プーチン氏は20日、トランプ氏との会談に応じる用意があると改めて表明した。