▽在ルワンダ、ウガンダ、フランス、米国大使館がデモ隊の攻撃を受けた。
コンゴ民主共和国の首都キンシャサで28日、東部・北キブ州における反政府勢力M23(3月23日運動)の侵攻に抗議デモが激化し、在外公館が攻撃を受けた。
現地メディアによると、在ルワンダ、ウガンダ、フランス、米国大使館がデモ隊の攻撃を受けたという。
市内では数千人のデモ参加者が国連と政府に抗議し、道路にバリケードを設置したり、店舗を略奪した。
在フランス大使館には火炎瓶が投げ込まれ出火、建物の一部が焼けた。負傷者の情報はない。
北キブ州の州都ゴマではM23の侵攻を受け、数十万人が郊外に避難。大混乱に陥っている。
M23は27日、ゴマを支配下に置いたと主張した。
M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。
しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、13年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。21年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。
コンゴ、米国、国連安保理はルワンダ政府がM23を支援していると指摘。ルワンダはこの主張を否定している。
1994年のルワンダ大虐殺に関与したとされるフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。
M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているものとみられる。
国連はコンゴ国内で活動するルワンダ兵を最大4000人と推定している。
政府とM23による戦争は世界最大級の人道危機に発展。700万人以上が避難を余儀なくされている。
M23はこの数週間で支配地域を拡大し、ゴマを包囲していた。
ゴマには国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)の本部と南部アフリカ地域圏の基地があり、郊外の避難民キャンプでは少なくとも200万人がテント生活を送っている。
キンシャサのデモ隊は国連がルワンダ軍を支援していると主張。常任理事国である米国とフランスを非難し、大使館の警備員に襲いかかった。
ルワンダ政府は28日、この告発を改めて否定。コンゴが自国政府を倒そうとするフツ族民兵を支援していると主張した。
米国、フランス、ウガンダは大使館への攻撃を非難。コンゴ政府と国連に緊急対応を求めている。
現地メディアによると、ゴマ市内と周辺地域では軍とM23の戦闘が続いているという。
アフリカ連合(AU)と国連安保理は紛争のさらなるエスカレートを防ぐため、緊急会合を開く予定である。