▽チャドはサヘル地域でフランスが大規模な軍事プレゼンスを維持している同盟国のひとつであり、長年にわたりイスラム過激派と戦ってきた。
アフリカ西部・チャドに駐留するフランス軍が撤退の一環として、1つ目の基地を返還した。チャド軍が26日、明らかにした。
チャド軍参謀総長は声明で、「同国北部の基地からフランス軍が撤退した」と述べた。
また参謀総長は首都ンジャメナと東部地域にある基地でも撤退に向けた作業が進んでいるとした。
フランス軍も基地の1つをチャドに返還したと声明を出した。
フランス軍はその基地に駐留していた兵士の数を明らかにしなかったが、撤退した部隊は780キロほど離れたンジャメナに向けて出発したという。
チャドはサヘル地域でフランスが大規模な軍事プレゼンスを維持している同盟国のひとつであり、長年にわたりイスラム過激派と戦ってきた。
軍事政権が統治する隣国のマリ、ブルキナファソ、ニジェールはフランスとの関係を断ち、ロシアに接近。ロシアは広大なサヘル地域に民間軍事会社ワグネルや正規軍の兵士を配置し、イスラム過激派を掃討している。
フランスは12月24日から兵士の移送を開始する予定であったが、チャド当局から12月31日までにすべての基地を返還するよう求められ、急ピッチで撤退を進めている。チャドに駐留するフランス兵は約1000人。
フランス軍は26日の声明で、「この引き渡しはチャド当局との合意に基づき行われた」と述べた。
チャド国内ではフランス軍の撤退を求める抗議デモが続いている。
チャドでは29日に議会選挙と地方選挙が行われる予定だ。
フランス軍によると、装甲車などの武器・装備はカメルーンの港を経由して本国に戻る予定だという。