◎ソマリア沖で横行していた海賊行為は2011年をピークに減少していたものの、この1年で新たな攻撃が何件か報告されている。
アフリカ東部・ソマリア沖で18人の乗組員を乗せた中国船籍の漁船が海賊に乗っ取られた事件について、地元当局は17日、海賊が身代金1000万ドルを要求していると明らかにした。
この漁船は先月末シージャックされた。海賊団はSNSに声明を投稿。乗組員とみられる男性の写真を公開していた。
EUの海軍部隊アスピデスは今月初め、現地の海事当局から通報があったことを確認し、調査の結果、海賊がこの漁船を乗っ取ったことが判明したと明らかにしていた。
海賊団は1000万ドルを支払えば乗組員を解放すると主張している。
地元当局によると、海賊団は漁船を北部プントランド自治区域の港に曳航。乗組員を陸に移し、監禁しているとみられる。
この漁船は2020年にプントランド自治当局から操業許可を得たとみられる。一部メディアはその免許が既に失効していたと伝えているが、詳細は不明だ。
AP通信は以前、この事件に詳しい関係者の話しとして、「海賊は500万ドルの身代金を要求し、断られたため、100万ドルを再提示したが。船主はこれも拒否した」と伝えていた。
プントランド当局はコメントを出していない。
ソマリア沖で横行していた海賊行為は2011年をピークに減少していたものの、この1年で新たな攻撃が何件か報告されている。
米国、インド、日本を含む多くの西側諸国がソマリア沖で海上警備に当たっている。
世界銀行はソマリアの海賊が2005~12年にかけて、乗組員を人質にすることで3億4000万~4億1300万ドルを稼いだと推定している。