◎NATO加盟国の防衛費目標はGDP比2%であり、一部の国はこの目標に達していない。
NATOのルッテ(Mark Rutte)事務総長は4日、欧州諸国に対し、防衛費の増額を改めて強く要請した。
NATO加盟国の防衛費目標はGDP比2%であり、一部の国はこの目標に達していない。
ロシアが2014年にウクライナ南部クリミア半島を併合した後、NATO首脳は冷戦終結時に始まった防衛費削減を止め、目標をGDP比2%とすることで合意した。
NATOの首脳たちはロシアが3年前にウクライナへの侵攻を開始して以来、2%という目標を上限ではなく下限とすることで合意している。
加盟国の約3分の1はまだ目標を達成していない。
来年1月20日に就任するトランプ(Donald Trump)次期米大統領は目標未達成国を防衛しないと主張。集団的自衛権(5条、集団防衛)を放棄する可能性があると示唆した。
トランプ氏の発言は米国が危機に際して頼りになるという信頼を損ねた。
ルッテ氏はブリュッセルのNATO本部で開催された外相会議の後、記者団に対し、「抑止力を現在のレベルで維持したいのであれば、2%では不十分だ」と語った。
またルッテ氏は「今NATOを攻撃しようとする国はいないが、将来どうなっているかは分からない」と述べた。
NATOは30日以内に最大30万人の部隊を東側の基地へ移動させる準備を整える予定だ。
この計画は北極圏やバルト海地域から大西洋を経て東の黒海に至るまで、どの同盟国がどの攻撃に対応するかを定めている。