◎決選投票は予定通り、12月8日に行われる予定だ。
ルーマニアの憲法裁判所は2日、先月24日に行われた大統領選の結果を承認し、親ロシア派の極右ジョルジェスク(Calin Georgescu)氏と改革派の中道右派ラスコニ(Elena Lasconi)氏が決選投票に進むことが決まった。
憲法裁は先週、大統領選のすべての票を再集計し、投票日当日に公職選挙法に違反する行為がなかったか調査するよう選挙管理委員会と関係当局に命じていた。
決選投票は予定通り、12月8日に行われる予定だ。
これにより、ジョルジェスク氏の首位通過が確定した。投票率は52%。ジョルジェスク氏の得票率は22.94%、ラスコニ氏は19.18%。チョラク(Marcel Ciolacu)首相は3位で決選投票に進めなかった。
ジョルジェスク氏は過去にロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領を「国を愛する男」と絶賛し、ウクライナを「敵対国家」と呼んだことがある。
またジョルジェスク氏は1930~40年代にかけてのルーマニアのファシストやナショナリスト指導者たちを国民的英雄と評して物議を醸したこともある。
チョラク氏の与党・社会民主党(PSD)は親ロシア派の影響力が強まっているとして、他の政党に一致団結して対応する呼びかけている。
憲法裁の裁判長は声明で、「裁判官は全会一致で、11月24日の第1回投票の結果を確認し、12月8日に第2回投票を行うことを決定した」と述べた。
ルーマニアでは1日に議会選も行われ、PSDが第1党となる見通しである。ロシア寄りの極右政党は議席の3分の1を獲得するとみられる。
PSDは改選前と同様、連立政権を形成するために、左派および中道左派と協議を行うことになるだろう。
チョラク氏は2日の記者会見で大統領選に言及。「PSDは決選投票でどちらを支持するかまだ決めていない」と述べた。
首都ブカレストを含む複数の都市では先月の投票日以来、ジョルジェスク氏の大統領就任に反対するデモが続いている。