◎ルーマニアはロシアの侵略を受けるウクライナと国境を接し、NATO加盟国の中で最も強くウクライナへの支持を表明してきた。
ルーマニアの選挙管理委員会は25日朝、大統領選の結果を更新し、親ロシア派の極右ジョルジェスク(Calin Georgescu)氏がトップで決戦投票に臨むこととなった。
多くの有権者がチョラク(Marcel Ciolacu)首相の落選に度肝を抜かれ、極右の躍進に動揺した。
選管によると、開票率99.99%時点でジョルジェスク氏の得票率は22.95%。改革派の中道右派ラスコニ(Elena Lasconi)氏が19.17%、チョラク氏は19.15%となっている。
その後、チョラク氏は敗北を認めた。
無所属で出馬したジョルジェスク氏はほとんどの世論調査で得票率10%未満と予測されていたため、今回の結果は政治的な激震をもたらしそうだ。
なお、地元メディアの出口調査ではチョラク氏がトップ、ラスコニが2位という結果だった。
地元メディアによると、ジョルジェスク氏は過去にロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領を「国を愛する男」と絶賛し、ウクライナを「敵対国家」と呼んだことがある。
またジョルジェスク氏は1930~40年代にかけてのルーマニアのファシストやナショナリスト指導者たちを国民的英雄と評して物議を醸したこともある。
ラスコニ氏は25日の声明で、「ルーマニアは岐路に立っている」と警告した。
またラスコニ氏は「ルーマニアは今、我が国の民主主義を守ろとする人々と、ルーマニアをロシアの勢力圏に戻そうとする人々との歴史的な対立の中にある」と述べた。
多くの与党議員もこの結果に懸念を表明し、連帯してジョルジェスク氏に勝利する必要があると促した。
ルーマニアの大統領は主に外交を担当し、その権限は限定されている。
ルーマニアはロシアの侵略を受けるウクライナと国境を接し、NATO加盟国の中で最も強くウクライナへの支持を表明してきた。
決選投票は12月8日に行われる。