◎NATOとウクライナはロシアのIRBM発射を受け、26日に緊急会合を開く予定だ。
核爆発のイメージ図(Energy Intelligence)

ロシアプーチン(Vladimir Putin)大統領は22日、新型の極超音速中距離弾道ミサイル「オレシュニク」の試験を継続すると表明。連続生産に乗り出す考えも示し、同IRBMの即時使用可能な在庫があると明らかにした。

ウクライナ国防省情報総局ロシア軍が21日に東部ドニプロの軍事施設を標的に発射したオレシュニクとみられるIRBMについて、最高速度が時速1万3000キロを超え、発射から約15分で標的に着弾したと報告した。

オレシュニクは音速の10倍で飛行し、5500キロ離れた目標を攻撃できるとされる。

ロシア大統領府は22日、ウクライナに向けてIRBMを発射したことについて、「無謀な西側諸国への警告」という見解を示し、西側がウクライナ軍に供与した長距離兵器を使ってロシア領内への攻撃を容認した結果、核保有国により衝突のリスクが劇的に高まったと警告した。

ゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)大統領は22日、ロシアによるIRBM攻撃を受け、「ウクライナは新たなリスクに対抗するために、新型の防空システム開発に取り組んでいる」と明らかにした。

専門家によると、現在の防空システムでICBMとIRBMを撃墜することは難しいという。最新のICBMは超高高度で複数の弾頭を放出し、地上の標的を攻撃する。

ロシア軍の戦略ミサイル部隊のトップであるカラカエフ(Sergei Karakayev)氏は22日、「オレシュニクは欧州全土の目標に到達し、核弾頭または通常弾頭を搭載することができる」と述べた。

中国外務省はロシアがウクライナに向けてIRBMを発射したことを確認したとして、双方に「冷静さ」と「自制」を求めると表明した。

ロシア国防省によると、極超音速弾道ミサイルによるウクライナ東部ドニプロへの攻撃は全て目標に命中したという。

ポーランドのトゥスク(Donald Tusk)首相は22日、ロシアによるウクライナ侵攻が決定的な瞬間を迎えていると述べ、西側が連携して対応に当たることが重要だと表明した。

ドイツのショルツ(Olaf Scholz)首相も極超音速ミサイルの使用を「恐ろしいエスカレーション」と評し、ロシア西部クルスク州で北朝鮮軍兵士が投入されていることにも言及した。

NATOとウクライナはロシアのIRBM発射を受け、26日に緊急会合を開く予定だ。

首都キーウの国会はロシアの空爆リスクが高まっているとして、22日の審議と記者会見を中止した。一部の国会議員はオンラインで仕事を行っている。

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