◎爆発は19日の夕方に確認され、2階建ての中国領事館の屋根瓦が破損したものの、ケガをした人はいなかった。
ミャンマー、第2の都市マンダレー、軍事政権に抗議するデモ(Getty Images)

ミャンマー第2の都市マンダレーにある在中国領事館が爆発物による被害を受けた。ミャンマー国営放送(MRTV)が19日に報じた。

それによると、爆発は19日の夕方に確認され、2階建ての中国領事館の屋根瓦が破損したものの、ケガをした人はいなかったという。

MRTVは軍政関係者の話しとして、「反体制派が関与していることは明らかであり、治安部隊が爆発に関与したテロリストを追跡している」と報じた。

それによると、犯行声明を出した組織は確認されていない。どのような爆発物が使われたのかも不明である。

軍事政権のフライン(Min Aung Hlaing)総司令官は今週初め、全国各地で活動する反体制派に武器を置き、和平交渉に参加するよう呼びかけていた。

軍政は21年2月のクーデターで政権を奪取して以来、最大の困難に直面している。

中国と国境を接する北東部シャン州の大部分を支配する「MNDAA(ミャンマー民族民主同盟軍)」、西部ラカイン州の「アラカン軍」、東部カレン州の少数民族ゲリラ「カレン民族同盟(KNU)」、チン州の反体制派「チン民族戦線(CNF)」などからなる民主派勢力は昨年10月、中国国境に近い北部で反攻を開始。複数の地域から国軍を追い出した

これらの反体制派は民主派政治組織「挙国一致政府(NUG)」や人民防衛軍(PDF)と連携し、国土の半分以上を掌握。軍政に圧力をかけている。

中国が仲介したシャン州の停戦協議も決裂。中国は軍政に和平を推進するよう求めている。一部のゲリラは中国政府と良好な関係を維持している。

中国政府は反体制派の台頭で軍政が崩壊する恐れがあるとして、和平協議を仲介してきたが、話が前進する見通しは立っていない。

中国政府は一部の少数民族グループに攻撃の継続を思いとどまらせ、軍政に対しても少数民族の土地支配を認めるよう求めたとされる。

一部の独立系メディアは今週、フライン氏が今後数週間以内に中国を訪問する予定と報じた。

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