◎パキスタンでは近年、イスラム過激派によるテロ攻撃が相次いでおり、その多くがアフガニスタンと国境を接する南西部バルチスタン州と北西部カイバル・パクトゥンクワ州で発生している。
パキスタン南西部バルチスタン州で15日に発生した爆弾テロについて、イスラム国(ISIS)が犯行声明を出した。地元メディアが16日に報じた。
それによると、ISISは15日夜、スンニ派のアマーク(Aamaq)通信に声明を掲載。「パキスタンの警察車両を爆発物で破壊した」と主張した。
現場は州都クエッタ近郊の高速道路。捜査当局によると、この攻撃で警察官2人が死亡、2人が負傷した。
バルチスタン州ではバルチスタン解放軍(BLA)によるテロ攻撃が相次いでいる。地元メディアによると、ISISもこの数カ月、同州で活動を活発化させている兆候がみられるという。
BLAは先月、旅客バスや警察署、軍事施設に波状攻撃を仕掛け、陸軍兵士など少なくとも38人を殺害した。
BLAとISISが同盟関係にあるという証拠は確認されていないが、一部の専門家は主にアフガン国境付近で協力して攻撃を仕掛けている兆候がみられると指摘している。
バルチスタン州では四半世紀ほど前から政府と分離主義勢力による紛争が続いており、BLAなどの反乱軍は州の資源を分配するよう中央政府に要求。その後、独立を求めて反乱を起こした。
中央政府は反乱を鎮圧したと主張しているが、暴力が沈静化する見通しは立っていない。