◎大統領府は釈放した政治犯の名前を明らかにしなかったが、その中には6人の女性が含まれるとした。
ベラルーシの独裁者であるルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領が16日、反体制派の受刑者37人に恩赦を与えた。
ルカシェンコ氏が政治犯を赦免したのはこの3カ月で4度目だ。一部の専門家はルカシェンコ氏が来年の大統領選を意識し、厳しいイメージを和らげようとしていると指摘している。
大統領府は釈放した政治犯の名前を明らかにしなかったが、その中には6人の女性が含まれるとした。
大統領府の報道官は声明で、「赦された者は全員、罪を認め、心から悔い改め、静かに生活することを約束した」と主張した。
ルカシェンコ氏は7月以来、ジャーナリストや重病の活動家を含む、抗議デモに参加した罪で有罪判決を受けた78人を赦免している。
その中には、ガンに苦しむ著名な野党活動家も含まれていた。
ルカシェンコ氏は1994年に就任して以来、一貫して野党、人権団体、独立系メディアを弾圧してきた。
2020年の大統領選では結果に抗議するデモを力でねじ伏せ、3万5000人以上を逮捕、数千人を殴打した。
ベラルーシの人権団体「ビアスナ人権センター」は16日、ルカシェンコ氏が何度も政治犯を赦免していることについて、「反対意見に対する弾圧が緩和されたことを意味するものではない」と強調した。
それによると、当局は過去3カ月で政治犯を約400人逮捕・起訴したという。
ルカシェンコ氏は来年の大統領選への立候補を表明している。公正な選挙は期待できず、有力な野党政治家が立候補できるかどうかも不明だ。