◎軍事政権と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
アフリカ北東部・スーダンの内戦による死者が2万人を超えた。世界保健機関(WHO)が8日、明らかにした。
WHOのテドロス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は紅海沿岸の都市ポートスーダンで記者会見し、「この1年半で2万人以上の死亡を確認したが、実際の死者数はもっと多い可能性がある」と語った。
テドロス氏はスーダンの現状を「嵐」と評し、即時の停戦と国際社会の強力な支援が必要であると訴えた。
軍事政権と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。約2500万人が食料不足に喘ぎ、数万人が死傷したと推定されている。
激戦が続く西部ダルフール地方では複数の地域で餓死者が確認されている。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
また同国では数週間前から広い範囲で大雨が続き、悲惨な状況に拍車をかけている。
国連はこの1年半で1300万人以上が故郷を追われ、うち230万人以上が難民として近隣諸国に逃れたと推定している。
また国連は双方が戦争犯罪や人道に対する罪を犯していると非難。集団レイプや民族的動機による虐殺などが横行しているという。
国連が支援する調査官は6日、民間人を保護するための「独立した公平な部隊」の創設を促し、殺人や拷問を含む戦争犯罪について双方を非難した。
ここ数週間の大雨も危機に拍車をかけている。地元当局によると、全国18州のうち12州で数十人が死亡し、多くのインフラが被害受けたという。
洪水被災地ではコレラも流行している。保健当局は6日、この数週間で少なくとも165人がコレラにより死亡し、約4200人が発病したと明らかにした。