◎M痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつ。1970年にコンゴで初めて検出された。
世界保健機関(WHO)とアフリカ疾病予防管理センター(CDC)は6日、アフリカ大陸で進行中のM痘(エムポックス)感染拡大に対応する計画を発表した。
両組織は共同声明で、「これはアフリカ諸国におけるM痘への対応を強化・加速し、その蔓延を抑制し、人命を救助・保護するための努力を支援することを目的としている」と述べた。
それによると、この計画は来年2月まで維持され、6億ドル近くの予算が盛り込まれている。
M痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつ。1970年にコンゴで初めて検出された。
重症化リスクは低く、感染者の大半は数週間で回復する。
死亡率は地域の医療体制によって異なるが、概ね1~3%ほど。潜伏期間は7~21日で、ほとんどの患者が10~14日で発症する。
世界保健機関(WHO)は先月、コンゴ民主共和国を含むアフリカ中央部と西部でM痘感染者が急増していることを受け、公衆衛生上の緊急事態を宣言した。
アフリカCDCによると、この計画の資金の55パーセントは患者が確認された14カ国で使われる予定。
残り45%は国際パートナーとの運営や技術支援に充てられる。
WHOは声明で、「コンゴ東部やその他の感染者が多い地域で重点的にワクチン接種を進め、防疫対策を強化したい」と述べた。
WHOはコンゴの大流行を抑えるためには300万回分のワクチンが必要と呼びかけているが、5日時点で届いたワクチンはEUが提供した10万回分にとどまっている。
今年アフリカ大陸で確認されたM痘感染者は2万人超。死亡者数は643人。感染者の大半が15歳以下の子供である。