◎コレラは感染性下痢症のひとつで、治療せずに放置すると数時間で死に至ることもある。
コレラワクチン接種(Getty Images)

世界保健機関(WHO)は4日、世界における昨年のコレラ感染者と死亡者が大幅に増加し、健康危機が拡大していると警告した。

WHOは2023年のコレラに関する新たなデータを公表。昨年のコレラによる死亡者数は2022年と比較して71%増加、感染者は13%増加したと明らかにした。

それによると、昨年感染が報告された人は34万2000人以上。亡くなった人は2400人であった。

コレラは感染性下痢症のひとつで、治療せずに放置すると数時間で死に至ることもある。コレラ菌に汚染された水を飲んだり食品を食べたりすることで感染する。

WHOによると、その大半がアフリカ大陸で確認され、実際の感染者数はこれよりはるかに多い可能性があるという。

WHOのテドロス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は声明で、「この急増はコレラワクチンの需要が供給を上回った結果、もたらされた」と指摘した。

それによると、2021~23年の間に各国が求めたコレラワクチンの量は過去10年間の接種量を上回っていたという。

昨年は約3600万回分のコレラワクチンが生産されたものの、これは世界の14カ国が要求した量の半分に過ぎない。

テドロス氏は「世界がコレラ危機に直面する中、ワクチンの増産、対象国における衛生環境の改善、清潔な水の確保が急務であることは明らかである」と述べ、各国政府や保健機関と連携してこの危機に取り組むと強調した。

内戦化のアフリカ北東部・スーダンを率いる軍事政権は先月、コレラの流行を宣言した。

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