◎イタリアの歴代政権は左派から右派まで、競争入札を義務付けるEU法を断固として拒否し、公開手続きなしに既存のビーチライセンスを更新してきた。
イタリア政府は4日、2027年6月までにビーチクラブのコンセッションを入札にかけるという新しい規則を導入することを承認した。
コンセッションは国や地方自治体が土地や建物などの所有権を保有したまま公共インフラの運営権を一定期間、民間企業に売却すること。
既存のライセンスは2027年9月まで有効となる。
入札プロセスを遅らせる「客観的な理由」があれば、期限をさらに2028年3月まで延期することも可能としている。
この妥協案はライセンスを失う恐れのある既存の事業者からの苦情に対処するためのものであり、新たなライセンス保有者が支払う契約金の一部を受け取る権利がある。
EUの執行機関である欧州委員会は20年近くにわたり、イタリアが透明性を欠き、競争ルールに違反しているとして、ビーチのコンセッションの慣行をめぐって法廷闘争を繰り広げてきた。
イタリアの歴代政権は左派から右派まで、競争入札を義務付けるEU法を断固として拒否し、公開手続きなしに既存のビーチライセンスを更新してきた。
何年もの間、多くのビーチクラブが同じ事業者によって管理・運営されてきた。
エコノミストたちはこのセクターを開放することで、新たなプレーヤーが参入し、サービスの質が向上し、海水浴客のコストが削減される可能性があると指摘している。
基本的なビーチクラブにおける長椅子2脚と傘1本の1日レンタル費用は25ユーロ(約4000円)から。高級リゾートのカプリ島やプーリア州などでは数百ユーロを支払うことになる。