◎世界保健機関(WHO)は先週、コンゴを含むアフリカ中央部と西部でM痘感染者が急増していることを受け、公衆衛生上の緊急事態を宣言した。
コンゴ民主共和国の保健当局は21日、過去1週間で1000人以上のM痘(エムポックス)新規感染者が確認されたと明らかにした。
保健省は声明で国際社会に対し、さらに多くのM痘ワクチンが必要であると訴えた。
M痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつ。1970年にコンゴで初めて検出された。
重症化リスクは低く、感染者の大半は数週間で回復する。
死亡率は地域の医療体制によって異なるが、概ね1~3%ほど。潜伏期間は7~21日で、ほとんどの患者が10~14日で発症する。
世界保健機関(WHO)は先週、コンゴを含むアフリカ中央部と西部でM痘感染者が急増していることを受け、公衆衛生上の緊急事態を宣言した。
アフリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、アフリカ54カ国のうち12カ国で今年M痘が確認され、全感染者と死者の大半がコンゴで報告されている。
全体の感染者は20日時点で約1万9000人、死者は541人。コンゴの感染者は全体の94%にあたる1万7794人、死者は535人となっている。
アフリカCDCによると、コンゴではM痘感染が疑われる患者の5人に1人しか検査を受けておらず、実際の感染者はこれよりはるかに多い可能性が高いという。
アフリカ大陸における過去1週間の新規感染者は1405人。うち1030人がコンゴで報告された。
アフリカCDCはEUと独バイエルン・ノルディック社から21万5千本のM痘ワクチンの提供を受けている。
米国も5万人分のワクチンを寄付。日本も支援を提供している。
しかし、アフリカはもっと多くのワクチンを必要としている。
コンゴの保健省は声明で、「この大流行を抑えるためには、同国だけで300万人分のワクチンが必要である」と訴えた。コンゴと国境を接する3カ国でも感染が拡大するという懸念が高まっている。