◎エチオピア政府が今年1月にソマリランドと覚書を取り交わして以来、エチオピアとソマリアの緊張は劇的に高まり、紛争に発展する恐れもある。
トルコのフィダン(Hakan Fidan)外相は13日、係争地ソマリランドをめぐるエチオピアとソマリアの協議が大きく前進したと明らかにした。
フィダン氏は首都アンカラで両国の間接協議を仲介。両国の外相らとこの問題について協議した。
エチオピア政府が今年1月にソマリランドと覚書を取り交わして以来、エチオピアとソマリアの緊張は劇的に高まり、紛争に発展する恐れもある。
エチオピアとソマリランドの首脳は1月、ソマリランド領内におけるエチオピアの海岸利用を許可する覚書に署名。これにより、世界で最も人口の多い内陸国であるエチオピアはソマリランドの海岸線に海軍基地を建設できるようになった。
ソマリランド(旧イギリス領)は1991年にソマリア(旧イタリア領)から独立。国連はソマリランドの独立を承認していないが、台湾は2020年に外交関係を結び、米国を含む10カ国が首都ハルゲイサに駐在員事務所、ケニアとエチオピアは外交使節団の公館を設置している。
ソマリアはソマリランドを自国の領土の一部とみなしており、エチオピアによる海岸線利用を「侵略」と表現している。
フィダン氏は第2回協議終了後、声明を発表。「顕著な進展がみられた」と述べたが、詳細は明らかにしなかった。
またフィダン氏は「具体的なステップや技術的なことについて話し合えたので、安心した」と述べた。
トルコ外務省によると、第3回協議は9月17日に開催される予定。
ソマリランドは覚書に基づき、海岸線に沿った約20キロの土地をエチオピアに貸与。エチオピアはそこに海軍基地や港を建設する。
エチオピア政府はその見返りとして、ソマリランドの独立を承認する。ソマリア政府は戦争も辞さない構えを示している。
トルコは7月に第1回協議を主催。第2回協議は当初9月に予定されていたが、フィダン氏が今月初めにエチオピアを訪問し、その後、前倒しされることになった。