◎ドイツ当局がコカインの押収量を公表したのは初めて。
ドイツの捜査当局は17日、昨年押収したコカインの総量が数十トンに達し、麻薬密売などの容疑で7人を逮捕したと明らかにした。
それによると、西部デュッセルドルフの捜査当局がコロンビア当局からの情報提供を受け、港で約35.5トンのコカインを押収。これを皮切りに北部の都市ハンブルクの港で25トン、オランダのロッテルダム港で8トン、コロンビアで約3トンのコカインが相次いで押収されたという。
当局はその末端価格を26億ユーロ(約4400億円)と見積もっている。
ドイツ当局がコカインの押収量を公表したのは初めて。
当局はその後も捜査を続け、この密輸に関与したとされる30~54歳の7人を逮捕した。
当局によると、逮捕されたのはドイツ人、アゼルバイジャン人、ブルガリア人、モロッコ人、トルコ人、ウクライナ人。身元は明らかにしていない。
デュッセルドルフの担当官は記者会見で、「ノルトライン・ウェストファーレン州の実業家が合法的な輸送に見せかけ、密輸を主導していた」と語った。
それによると、この実業家を含む容疑者たちは23年4~9月にかけて、南米から欧州に向かう複数の貨物船のコンテナにコカインを隠し、密輸していたという。
この実業家は輸送を合法的に見せかけるため、複数の会社を設立。その一部はペーパーカンパニーとみられる。
容疑者たちはこれらの会社を通じて、トルコに居住する共犯者らと組織的にコカインを密輸したとされる。
当局は「トルコ当局とも連携して共犯者の行方を追っている」と明らかにした。
また当局は今回の摘発を「過去最大規模」と評した。
国連薬物犯罪事務所(UNODC)によると、コロンビアにおけるコカの植林面積は2022年に過去最高の23万ヘクタールに達した。22年のコカイン生産量は21年比24%増の1700トンと推定されている。