◎ソマリア政府は今月初め、駐エチオピア大使に国外退去を命じ、北部プントランド自治区域にあるエチオピア領事館を閉鎖。両国の関係は急速に悪化した。
ケニア政府が隣国のエチオピアとソマリア間の緊張を和らげるため、両国に海洋条約を結ぶよう提案した。現地メディアが12日に報じた。
エチオピアとソマリランドの首脳は今年1月、ソマリランド領内におけるエチオピアの海岸利用を許可する覚書に署名。これにより、世界で最も人口の多い内陸国であるエチオピアはソマリランドの海岸線に海軍基地を建設できるようになった。
ソマリランド(旧イギリス領)は1991年にソマリア(旧イタリア領)から独立。国連は同国の独立を承認していないが、台湾は2020年に外交関係を結び、米国を含む10カ国が首都ハルゲイサに駐在員事務所、ケニアとエチオピアは外交使節団の公館を設置している。
ソマリア政府はこの覚書に激怒し、武力行使も辞さないと警告した。
ソマリア政府は今月初め、駐エチオピア大使に国外退去を命じ、北部プントランド自治区域にあるエチオピア領事館を閉鎖。両国の関係は急速に悪化した。
ケニアはジブチおよび東アフリカ地域の地域経済共同体「政府間開発機構(IGAD)」と協議し、海洋条約案をまとめた。その詳細は明らかになっていない。
ロイター通信によると、ソマリア政府はこの案に難色を示したという。
ソマリア政府はこの案について話し合うため、ケニアに首脳会談を提案。結果、ソマリアのモハムド(Hassan Sheikh Mohamud)大統領は11日に首都ナイロビを訪問し、ルト(William Ruto)大統領と会談した。
ルト氏は記者会見でエチオピア政府にくぎを刺したうえで、「平和的に問題を解決できると確信している」と主張した。
エチオピアはソマリランドの海岸線を借りる見返りとして、ソマリランドの独立を承認するとしている。