◎SNSで拡散した動画には男子大学生が際限なく現金を引き出す様子が映っていた。
エチオピア、首都アディスアベバのエチオピア商業銀行(Getty Images/AFP通信)

エチオピアの銀行大手「エチオピア商業銀行」は26日、システム不具合により、一部の顧客が口座残高以上の現金を引き出した問題について、不正に引き出された現金の大半を回収したと発表した。

この不具合は先週公になり、全国の現金自動預け払い機(ATM)に長蛇の列ができた。

不具合は16日に初めて確認されたようだ。SNSで拡散した動画には男子大学生が際限なく現金を引き出す様子が映っていた。

同行の広報担当は記者会見で、「不具合の間に約1400万ドルが引き出されたり、デジタル送金された」と明らかにした。

1回当たりの取引額は最大5000ドルほど。同行は当初、損失額を約4000万ドルと報告していた。

同行はウェブサイトにも声明を掲載。「1万5000人近くが口座残高以上の現金を引き出したものの、大半が返還に応じた」と述べた。

それによると、567人が返還に応じず、連絡も取れない状態だという。同行は567人の氏名と口座番号をウェブサイトに掲載した。

同行は声明の中で、「回収できていない現金は微々たるものだが、持ち逃げを許せば、間違ったメッセージを送ることになる」と指摘。対象者に返還を迫った。

地元メディアによると、返還に応じない567人の大半が大学生とみられる。一部の大学は学生に現金を返すよう呼びかけている。

同行はこのシステム不具合について、「サイバー攻撃によるものではなく、定期的に行っているシステム更新・点検中に発生した」と説明している。

同行は1963年設立。約4000万人の顧客を持つエチオピア最大の銀行である。

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