◎バングラでは建物の火災・爆発・倒壊事故が相次いでいる。原因の多くがルール無視や無謀な運営によるものだ。
バングラデシュの首都ダッカにある6階建てショッピングモールで発生した火災について、首相府は1日、非常口がなかったことで被害が拡大したという見方を示した。
火災は繁華街にある建物で28日遅くに発生。少なくとも46人が死亡、数十人が病院に搬送された。
火元はモールの1階にあるレストランとみられる。10数台の消防隊が出動した。
首相府の報道官は声明で、「病院に搬送され手当てを受けていた3人が亡くなったと報告を受けている」と明らかにした。
それによると、重度の火傷を負った12人が2つの国立病院で治療を受けているという。
ハシナ(Sheikh Hasina)首相は犠牲者に哀悼の意を表し、「モールに非常口がなかった結果、被害が拡大した」と述べた。
またハシナ氏は建築基準法に言及。「マンション、モール、その他建造物を設計する際は非常口を含む安全対策を設置する必要がある」と強調した。
地元メディアによると、このモールに非常口はなかった。さらに、規制当局はレストランの出店を許可していたものの、レストランではなく食料品店として営業していた店舗が少なくとも8軒あったという。
出火原因は明らかになっておらず、消防と警察がモールを封鎖し調査している。
バングラでは建物の火災・爆発・倒壊事故が相次いでいる。原因の多くがルール無視や無謀な運営によるものだ。
ダッカの衣料品工場で2012年に発生した火災では労働者117人が死亡。工場の出入り口は外側から施錠されていた。
その翌年にはダッカ郊外の衣料品工場が倒壊。1138人が死亡するという同国史上最悪の産業事故が発生し、安全基準の低さが浮き彫りとなった。