◎選挙管理委員会はルカシェンコ氏に忠誠を誓う政党のみ、選挙への参加を許可。ほとんどの候補が4つの政党から立候補し、現政権を支持すると表明している。
ベラルーシの独裁者ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領が20日、西側諸国が国政選挙を妨害しようとしていると主張した。
ベラルーシではこの日、総選挙(2月25日)の期日前投票が始まり、各地の投票所とその周辺に陸軍兵士と重武装の機動隊が配備された。
野党はこの選挙を「ルカシェンコ劇団によるシニカルな茶番劇」と呼び、有権者にボイコットするよう呼びかけている。
30年近く鉄拳でベラルーシを統治してきたルカシェンコ氏は国家警察長官との会談で、「西側は25日の選挙に乗じて我が国を不安定化させようとしている」と主張した。
選挙管理委員会はルカシェンコ氏に忠誠を誓う政党のみ、選挙への参加を許可。ほとんどの候補が4つの政党から立候補し、現政権を支持すると表明している。
人権団体「ビアスナ人権センター」は20日、野党指導者のひとりである64歳の男性が郊外の刑務所で獄中死したと明らかにした。
この男性は公の場でルカシェンコ氏を批判した罪に問われ、禁固3年の刑に服していた。死因は明らかになっていない。
ビアスナによると、過去3年間で獄死した野党関係者はこれで5人となった。
2020年の大統領選に立候補し、その後の弾圧でリトアニアへの亡命を余儀なくされたチハノフスカヤ(Svetlana Tikhanovskaya)氏は20日、改めて選挙をボイコットするよう有権者に呼びかけた。
ルカシェンコ氏に忠誠を誓う治安当局は大統領選後の抗議デモを鉄拳でねじ伏せ、3万5000人以上を逮捕。数千人を激しく殴打した。
ルカシェンコ氏は長官との会談で、「西側はベラルーシでクーデターを起こしたり、武力で政権を奪おうと画策している」と非難。特にポーランド当局が脅迫や脅しを使っていると突然主張した。
治安当局は期日前投票に先立ち、全国でパトロールを強化している。
ベラルーシはOSCE加盟国だが、その選挙監視員の招聘を拒否している。
OSCEは数十年にわたり、ベラルーシの選挙を監視する唯一の国際機関であった。
ビアスナはルカシェンコ氏が選挙を「軍事作戦」のように扱っていると非難した。