◎ティグライ州を含む北部地域は政府とティグレ人民解放戦線(TPLF)による2年に渡る戦争で荒廃した。
エチオピア、北部ティグライ州の難民キャンプ(Ben Curtis/AP通信)

エチオピアのアビー(Abiy Ahmed)首相は6日、北部ティグライ州とアムハラ州で餓死者が出ているという報道を否定し、「栄養失調に関連した病気で死者が出ている可能性がある」と述べた。

アビー氏は国会演説で、「餓死者が出ているという報道はウソだ。エチオピアで飢え死にした人はひとりもいない」と語った。

しかし、ティグライ州当局によると、同州と隣のアムハラ州では過去数カ月で少なくとも400人が餓死したという。

ティグライ州議会のレダ(Getachew Reda)議長は最近の声明で、「ティグライの人口の約91%が餓死の危険にさらされている」と述べていた。

中央政府の第三者委員会も先月、ティグライ州とアムハラ州でここ数カ月間に400人近くが餓死したと報告。ティグライ州では少なくとも351人、アムハラ州では44人の餓死者が記録されている。

ティグライ州を含む北部地域は政府とティグレ人民解放戦線(TPLF)による2年に渡る戦争で荒廃。ベルギーのゲント大学が行った調査によると、ティグライ州では2020年11月~22年8月の間に民間人少なくとも38万3000~38万6000人が死亡したとみられる。

この内戦により、エチオピアで人道支援を必要とする市民は2000万人を超え、280万人以上が今も避難生活を余儀なくされている。

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