◎山火事を悪化させている極度の乾燥と雨不足はエルニーニョ現象がもたらしたものである。
チリ中部の人口密集地で森林火災が発生し、少なくとも19人が死亡、約1100棟の家屋が焼失した。消防当局が3日、明らかにした。
内務省によると、同国の中部と南部で少なくとも92件の山火事が確認され、その多くが延焼中だという。
中部の森林火災で最も深刻な被害を受けたのはバルパライソとみられる。自治体は消防や救急車の移動を妨げる恐れがあるとして、影響を受けていない地域の市民に外出を控えるよう呼びかけている。
消防は亡くなった19人の身元と居住地を明らかにしていない。
それによると、バルパライソとその周辺地域では2日から延焼が続き、家屋少なくとも1100棟、80平方キロメートルが焼失したという。
炎は沿岸のリゾート地にも接近しており、いくつかの地区で被害が報告されている。
山火事を悪化させている極度の乾燥と雨不足はエルニーニョ現象がもたらしたものである。
エルニーニョ現象は太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象である。
コロンビアでも先月、広い範囲で山火事が発生。政府が非常事態を宣言し、国際的な支援を求める事態となった。コロンビアの焼失面積は170平方キロメートルを超えたと報告されている。