◎事件は北キブ州郊外の集落で25日遅くに発生。M23は迫撃砲などで家屋や交番を破壊した。
コンゴ民主共和国最大の反政府勢力「3月23日運動(M23)」が東部・北キブ州の集落を急襲し、市民少なくとも19人を殺害した。陸軍が26日、明らかにした。
それによると、事件は北キブ州郊外の集落で25日遅くに発生。M23は迫撃砲などで家屋や交番を破壊したという。
陸軍の報道官は国営テレビの取材に対し、「テロリストの無差別攻撃で少なくとも19人が死亡、27人が重軽傷を負った」と語った。
また報道官は「住民の大半が北キブ州ゴマに避難していたため、被害を最小限に抑えることができた」と述べた。
地元メディアによると、M23は声明を出していない。
M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。
しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、2013年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。2021年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。
コンゴ政府、米国、国連の専門家はルワンダ政府がM23を支援していると指摘。ルワンダはこの主張を否定している。
1994年のルワンダ大虐殺に関与したとされるフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。
M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているとみられ、北キブ州ゴマ近郊まで支配地域を拡大したとされる。