◎ジョコ政権はロヒンギャの受け入れに反対する学生や団体の抗議デモに直面し、難しい対応を迫られている。
インドネシア・スマトラ島北部アチェ州にミャンマーの少数民族ロヒンギャを乗せたボートが流れ着き、147人が保護された。地元当局が12月31日、明らかにした。
それによると、ボートは30日遅くに到着し、子供55人、女性39人、男性53人が地元自治体に保護されたという。
自治体の村長はAP通信の取材に対し、「彼らはバングラデシュでボロボロの木造船に乗せられ、数十日間海をさまよい、運よくアチェ州に流れ着いた」と語った。
147人のうち5人が栄養失調で病院に搬送された。
地元住民たちは人々に水と食料を与え、入管当局からの連絡を待っている。
村長はAPに、「住民たちは彼らの受け入れを望んでおらず、入管に対応を急ぐよう要請している」と述べた。
アチェ州にはこの1カ月で2000人近くのロヒンギャがボートで到着している。
村長は「先週も多くのロヒンギャを一時的に保護し、入管に引き渡した」と語った。「彼らは飢えと脱水でひどく弱っていたため、助けました。しかし、多くの住民が彼らの永住を望んでおらず、どこかに行ってほしいと頭を抱えています...」
海軍は28日、ロヒンギャとみられる難民を乗せたボートがアチェ州の海岸に近づいたため、国際水域に押し戻したと発表していた。
このボートが30日に流れ着いたボートかどうかは不明である。
ジョコ政権はロヒンギャの受け入れに反対する学生や団体の抗議デモに直面し、難しい対応を迫られている。デモはアチェ州から全国に拡大、首都ジャカルタでも行われている。
ミャンマー軍政による2017年の弾圧で殺害されたロヒンギャは1万3000人と推定され、少なくとも200の村が焼き払われ、100万人以上が国外退避を余儀なくされた。
バングラのコックスバザール地区には70万人以上のロヒンギャが避難し、世界最大の難民キャンプを形成している。
バングラから海路で出国するロヒンギャのほとんどが仕事を求めてイスラム教徒の多いマレーシアを目指す。
インドネシアは国連で1951年に採択された「難民の地位に関する条約」に加盟していないが、2016年の大統領令で難民の扱いに関する規定が定められて以来、多くのロヒンギャを受けている。