◎「3月23日運動(M23)」は北キブ州の州都ゴマから100キロほど離れた交易の要衝とされる町から国軍を追い出したとみられる。
コンゴ民主共和国最大の反政府勢力「3月23日運動(M23)」が同国東部・北キブ州の要衝を占領したと主張した。現地メディアが22日に報じた。
それによると、M23は北キブ州の州都ゴマから100キロほど離れた交易の要衝とされる町から国軍を追い出したという。
同国では12月20日の大統領選に先立ち、1か月間の選挙戦が本格化している。
M23の報道官はAP通信の取材に対し、「我が軍は政府軍との数日間にわたる戦闘の末、交易の最重要拠点を支配下に置いた」と語った。
この町の住民はAPに「M23と治安部隊の戦闘を目撃した」と述べた。「M23は治安部隊を撃破し、町と軍事基地を占領しました...」
地元テレビ局は関係者の話しとして、「M23は軍事基地で拘束されていたテロリストを解放した」と伝えている。
M23の報道官はAPに対し、「我々は政府軍が人口密集地へのテロ攻撃を開始したため、応戦せざるを得なかった」と主張。「市民への攻撃は断じて容認できない」と非難した。
チセケディ(Felix Tshisekedi)大統領は以前、M23の支配下にある地域は安全上の理由から大統領選の投票所を開設しない可能性があると述べていた。
M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。
しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、2013年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。2021年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。
コンゴ政府、米国、国連の専門家はルワンダ政府がM23を支援していると指摘。ルワンダはこの主張を否定している。
1994年のルワンダ大虐殺に関与したとされるフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。
M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているとみられ、北キブ州ゴマ近郊まで支配地域を拡大したとされる。