◎ミレイ氏は20日、地元ラジオ局のインタビューで、「国営メディアを含む国有企業の民営化を急ぐ」と表明した。
アルゼンチンのミレイ(Javier Milei)次期大統領は20日、同国の国有企業をひとつ残らず民営化すると誓った。
ミレイ氏は19日の大統領選決選投票でマサ(Sergio Massa)経産相を撃破。同国を南米で最も強くタフな国に変えると宣言した。
トランプ(Donald Trump)前米大統領を敬愛し、チェーンソーを振り回すパフォーマンスで有名になったミレイ氏は公的支出を削減し、政府庁舎の数を半減させ、中央銀行を解体し、自国通貨を米ドルに置き換えると公言している。
ミレイ氏は20日、地元ラジオ局のインタビューで、「国営メディアを含む国有企業の民営化を急ぐ」と表明した。
またミレイ氏は「できるものはすべて、ひとつ残らず民営化してやる」と強調した。「私はやります。左派政権が構築したくだらないルール、基準、しきたりをひとつ残らず破壊するつもりです...」
しかし、国内の政治アナリストはミレイ氏を支持する右派政党が国会の少数派である限り、国有企業の民営化は難しいと指摘した。
一部のアナリストはミレイ氏の大勝利が国会運営に影響を与える可能性があるという見方を示している。
イギリスの経営リスク分析会社ベリスク・メープルクロフトはミレイ氏の勝利について、「昨日まで疑問視されていたミレイ氏の勝利は、有権者が大きな変化を望んでいたことを示している」と指摘した。「ミレイ氏はこの選挙で国会の全政党に対し、誰が国の主導権を握っているか明確に示しました...」
アルゼンチンは経済の低迷と年率140%超という記録的なインフレに悩まされている。国連によると、同国の児童の50%以上がまともな食事をとれず、援助団体やNGOの支援に頼っているという。