◎第1回投票で勝利するためには得票率40~45%を獲得して2位に10%以上の差をつけるか、過半数を獲得する必要がある。
アルゼンチンで大統領選の開票作業が進められている。投票は22日の現地時間18時に締め切られた。
選挙前の世論調査によると、トランプ(Donald Trump)前米大統領を敬愛する無政府資本主義者のミレイ(Javier Milei)氏がわずかにリードしているものの、勝利に必要な票を集めることはできない見通し。
第1回投票で勝利するためには得票率40~45%を獲得して2位に10%以上の差をつけるか、過半数を獲得する必要がある。
決選投票は来月予定されている。
ポピュリストのミレイ氏は8月の予備選で最多得票を獲得し、国民に衝撃を与えた。
チェーンソーを振り回すパフォーマンスで知られるミレイ氏は公的支出を削減し、政府庁舎の数を半減させ、中央銀行を廃止し、自国通貨を米ドルに置き換えると宣言している。
ミレイ氏はテレビ番組の中で「政治カースト」と呼ばれる有権者の怒りを代弁して暴言を吐き、140%超のインフレに苦しむ低中所得者層の支持を得た。
またミレイ氏は自身を国内外で活動する邪悪な社会主義勢力に対抗する十字軍の頭領と位置付けている。
米ワシントンD.C.に本部を置く調査研究機関ウッドロー・ウィルソン国際センターはミレイ氏の躍進について、「アルゼンチンが二極化していることを示している」と分析している。「経験不足の指導者、奈落の底に突き進むアルゼンチン経済...」
開票速報はまもなく発表される予定だ。
アルゼンチン・ペソは現在「1ドル=350ペソ」前後で取引されている。しかし、同国のブルーレート(非公式市場レート)では「1ドル=1100ペソ」に急上昇。現在は「1ドル=1000ペソ」前後となっている。
アルゼンチンは経済の低迷と140%という記録的なインフレに悩まされている。国連によると、同国の児童の50%以上がまともな食事をとれず、援助団体やNGOの支援に頼っているという。