◎ティグライ州は昨年11月に終結した2年に及ぶ内戦で荒廃し、そこで生活する市民推定600万人のうち500万人以上が人道支援に頼っている。
世界食糧計画(WFP)は1日、エチオピア北部ティグライ州に送っている人道支援物資が不正流用された問題について、内部調査が完了するまで同州への援助を停止すると明らかにした。
ティグライ州は昨年11月に終結した2年に及ぶ内戦で荒廃し、そこで生活する市民推定600万人のうち500万人以上が人道支援に頼っている。
WFPの関係者4人はAP通信の取材に対し、「4月20日に不正流用を確認し、内部調査が完了するまで援助を停止すると州当局に通知した」と語った。
この問題は先月初めに明らかになった。
APは関係者の話しとして、「WFPがティグライ州当局と連携して援助の不正流用を調査している」と報じていた。
それによると、WFPのエチオピア担当は先月5日、ティグライ州に対し、「食料の不正流用、横領、転用について知っていることがあれば、情報を共有してほしい」と要請していた。
APによると、行方が分からない食料は10万人分にのぼるという。WFPは食料を州内の施設に保管している。
州議会のレダ(Getachew Reda)暫定議長は先月、「州都メケレでWFP幹部とこの問題について協議した」と明らかにしていた。
エチオピア軍とティグレ人民解放戦線(TPLF)の紛争は2020年11月に本格化し、民間人数万~最大60万人が死亡、数百万人が国内避難民となり、数万人が近隣諸国に逃れたと推定されている。
政府とTPLFは昨年11月に和平協定を結び、復興に向けた取り組みを進めている。