◎フレディは世界の歴史上、最も長く暴風雨を維持したサイクロンになる可能性がある。
2023年3月11日/モザンビーク中部の集落(Getty Images)

アフリカ南部で猛威を振るうサイクロン・フレディがモザンビークとマラウイに再上陸し、これまでに少なくとも15人の死亡が確認された。

フレディは先月上旬にオーストラリア北西部沖で発生。インド洋を西に進み、先月21日にマダガスカルに上陸、その後モザンビークに移動し、周辺海域で勢力を強め、マダガスカル西部の広い範囲に2度目の被害をもたらし、11日夜にモザンビークに再上陸。翌日、マラウイを襲った。

モザンビークの中部と東部で豪雨となり、冠水や土砂崩れを引き起こした。

世界気象機関(WMO)によると、アフリカ南部にこれほど長くとどまり、同じ国に期間を置いて再上陸することは極めて稀だという。

フレディは世界の歴史上、最も長く暴風雨を維持したサイクロンになる可能性がある。13日午前の勢力はカテゴリー1。モザンビーク海峡をゆっくり北に進んでいる。

<ハリケーンの勢力>
▽カテゴリー1:秒速 33~44(m/s)
▽カテゴリー2:秒速 43~49(m/s)
▽カテゴリー3:秒速 50~58(m/s)
▽カテゴリー4:秒速 58~70(m/s)
▽カテゴリー5:秒速 70~(m/s)

この地域で活動するNGOによると、両国の広い範囲で被害が報告されたという。被害の全容は明らかになっていないが、地元ラジオ局は両国で少なくとも15人が死亡したと報じている。

両政府は広い範囲で停電と通信障害が発生したと報告。国際社会に支援を呼びかけた。

国連は先週、この暴風雨により、モザンビークだけで50万人以上が人道的危機に陥る可能性があると警告した。中部と東部の住民は学校、教会、地元企業の倉庫などに避難し、支援を待っている。

一方、マラウイは昨年3月以来、コレラの大流行に直面しており、この1年で3万人以上が感染、1000人以上が死亡している。国連はこの暴風雨で衛生環境がさらに悪化し、感染者の急増を招く恐れがあると警告している。

WMOによると、フレディは今週中にモザンビーク海峡を離れる見込み。

2023年1月11日/マラウイ、首都リロングウェの医療機関(Thoko Chikondi/AP通信)
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