◎コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのあるイスラム過激派など、120以上の武装勢力が活動している。
コンゴ民主共和国、北キブ州郊外を飛行する国連ヘリ(Getty Images)

国連は27日、コンゴ民主共和国東部を飛行していた世界食糧計画(WFP)のヘリコプターが攻撃を受けたことを受け、同地域での飛行を停止すると発表した。

WFPによると、ヘリコプターへの攻撃は先週発生。北キブ州郊外から州都ゴマに戻る際、10分程度地上から攻撃を受けたものの、乗員3人と乗客10人にケガはなく、ヘリは無事ゴマに到着したという。犯行声明は出ていない。

国連は北キブ州の治安状況を検証・再評価するまで、この地域での飛行を停止するとしている。

WFPによると、このヘリ部隊は東部の遠隔地に支援物資を届けていたという。

北キブ州で国連のヘリが攻撃を受けたのは今月2回目。前回の事件も犯行声明は出ておらず、国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)のヘリが攻撃を受け、南アフリカの兵士1人が死亡、もう1人が負傷した。

コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのあるイスラム過激派など、120以上の武装勢力が活動している。

暴力は2021年後半に急増し、この地域で最大の武装勢力とされる「3月23日運動(M23)」が活動を本格的に再開させ、領土を占領し始めた。

国連の推計によると、この戦闘によって500万人以上が国内避難民となり、多くの市民が飢餓の危機にさらされている。

M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成される武装勢力で、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。

しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、2013年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。昨年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。

コンゴ政府、米国、国連の専門家はルワンダ政府がM23を支援していると指摘しているが、ルワンダはこの主張を否定している。

1994年のルワンダ大虐殺で告発されているフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。

M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているとみられる。

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