◎アルゼンチン・ペソは歴代政権の放漫財政が引き起こした度重なる危機や2001年のデフォルトを受け、2015年末に暴落した。
アルゼンチン・ペソ(Getty Images)

アルゼンチンの中央銀行は2日、インフレに対応する取り組みの一環として、2000アルゼンチン・ペソ紙幣を発行すると発表した。

中銀によると、昨年の消費者物価指数(CPI)は2021年比で95%上昇したという。これは1991年以来の上昇率であり、人口の大多数を占める低中所得者層の首を絞め上げている。

Aペソは2日の終値で「1ドル=187.58Aペソ」まで下落。20年前は「1ドル=3Aペソ」前後で取引されていた。

中銀はツイッターに声明を投稿。新紙幣はアルゼンチンの科学と医学の発展を記念するものだという。

アナリストによると、新紙幣がペソ安を改善する可能性はゼロに等しいという。

Aペソは歴代政権の放漫財政が引き起こした度重なる危機や2001年のデフォルトを受け、2015年末に暴落した。さらに、パンデミックとロシアのウクライナ侵攻によるインフレがペソ安に拍車をかけた。

国内の燃料や日用品価格は急騰し、市民生活に甚大な影響を与えている。

投資家は左派政権の経済政策に三下り半を突きつけている。

国際通貨基金(IMF)は先月、アルゼンチンに対する60億ドルの救済支援を承認した。これでIMFの融資額は440億ドルに達した。

フェルナンデス政権は昨夏、わずか4週間のうち経産相2人が辞任するという異常事態を経験した。

中銀は昨年9月、インフレを抑えるために主要政策金利を75%に引き上げたが、ペソ安は止まらず、CPIも高止まりしている。

一方、ブラジルとアルゼンチンの首脳は今週初め、両国間の貿易を促進するために共通通貨を創設する計画を発表した。

両首脳は米ドルに頼ることなく資金を調達する方法を見つける必要があると述べたが、実現するか否かは不透明だ。

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