◎アフガンの市民約2800万人が食料、医薬品、その他の人道支援を必要とし、その数はこの5年で4倍近くに膨れ上がった。
アフガニスタン、首都カブール、抗議デモを取り締まるタリバンの戦闘員(Getty Images)

国連は23日、グリフィス(Martin Griffiths)事務次長(人道問題担当)と主要な国際援助団体の代表がアフガニスタンの首都カブールで会合を開いたと明らかにした。

国連のデュジャリック(Stephane Dujarric)報道官は声明で、「セーブ・ザ・チルドレン、国際協力NGOケア・インターナショナル、ユニセフの代表がグリフィス氏と会合を開き、アフガンの人道問題について協議した」と述べた。

またデュジャリック氏は「タリバンが先月、女性のNGO就労を禁じたことで、いくつかの援助プラグラムが停止し、アフガンの悲惨な人道状況がさらに悪化するという懸念が高まっている」と警告した。

「主要NGOの活動停止は数百万人の食料援助に影響を与える可能性があります...」

国連によると、アフガンで活動するNGOの職員の大半は女性。小さなNGOほど女性の割合が高い。

国連が23日に公表したアフガンの人道ニーズをまとめたレポートによると、約2800万人が食料、医薬品、その他の人道支援を必要とし、その数はこの5年で4倍近くに膨れ上がったという。

デュジャリック氏は先週、モハメド(Amina Mohammed)副事務総長率いる代表団とタリバン高官の会談について、「高官の中には女性の権利回復に前向きな者と、明確に反対する者がいる」と明らかにした。

グリフィス氏とNGO代表は「タリバンの穏健派と強硬派が納得できる妥協点」を見いだしたいと考えている。

デュジャリック氏は記者団に、「タリバンの協力的な者とそうでない者を和解させることが重要だ」と説明していた。

モハメド氏が主催した協議にはUNウィメンの事務局長と国連政治問題担当の事務次長も参加した。

モハメド氏のチームはカブールと南部カンダハル州でタリバン高官と会談したが、高官の名前は明らかにしていない。

国連によると、協議ではタリバンが女性や少女に課している厳しい制限に焦点が当てられたという。

グリフィス氏は女性のNGO就労禁止に焦点を当て、制限の解除を目指すとしている。

国連アフガン支援団(UNAMA)のポツェル(Markus Potzel)代表代行もタリバン高官と協議を進めているとみられる。

2022年12月22日/アフガニスタン、首都カブールの閉鎖された中等学校、女子生徒たち(Ebrahim Noroozi/AP通信)
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