◎キムは会議の冒頭、昨年1月の党大会以降の「苦難と課題」を「革命の10年闘争」と名付け、関係者の労をねぎらった。
北朝鮮の金正恩(Kim Jong Un)党総書記は26日、今年1年を総括する大反省会を主催し、記録的な数のミサイル発射実験の成功を祝ったうえで、同国の課題と苦難を克服するための努力を倍加させるよう呼びかけた。
朝鮮中央通信社(KCNA)によると、朝鮮労働党の全体会議が首都平壌で開幕し、過去のプロジェクトの見直しや来年の作業計画などが議論されたという。
韓国の専門家は、「キムはこの会議で核戦力の強化と米国および韓国を標的とするハイテク兵器を導入する決意を再確認する一方、コロナの感染拡大がもたらした混乱や市民生活の再建プロジェクトを立案する可能性が高い」と指摘している。
キムは会議の冒頭、昨年1月の党大会以降の「苦難と課題」を「革命の10年闘争」と名付け、関係者の労をねぎらった。
またキムは「我々は苦難の道のりでいくつかの偉業を達成し、我が国の政治、軍事、経済、文化は顕著に高まった」と主張した。
KCNAは「我々の党総書記はあらゆる困難に耐えて現実的な前進を遂げたという貴重な事実に基づき、より刺激的で自信に満ちた闘争を展開するための戦略を打ち出す必要性を強調した」と報じている。
またKCNAは「我々の党総書記は今年の輝かしい成果を振り返り、北朝鮮型社会主義を実現するための戦略的・戦術的課題を明らかにしたのだ」と報じた。
キムは成果や課題の詳細には触れず、その成果が北朝鮮にどのような影響を与えたかも不明である。
韓国の専門家は大反省会について、「金正恩は米国主導の制裁などの影響で国民が飢えていることを隠すために、核・ミサイル開発を大成功させたと主張し、国民の忠誠心を引き出したいと考えている」と指摘している。
この会は数日続くと予想され、キムは各セッションで軍備増強、対米関係、経済などの議題を取り上げると思われる。
キムは今年、過去に類を見ない数のミサイルを発射した。
その多くは核弾頭を搭載できるタイプとみられ、日本、韓国、そして米国本土を攻撃できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)も含まれていた。
キムは米国主導の制裁と米韓合同軍事演習を定期的に非難し、米国が敵対的な政策を撤回しない限り、米政権との協議に戻ることはないと主張している。
一方、韓国政府は26日、北朝鮮領内からドローンが飛来し、戦闘機をスクランブル発進させ、警告射撃を行ったと発表した。北のドローンが韓国領内に侵入したのは5年ぶり。
韓国軍は北が独自の監視装置を領内に送り込んだと説明している。これは恐らくドローンとみられるが、詳細は不明だ。韓国軍はドローンの撃墜に失敗したと発表している。