◎パキスタンは過去10年間、経済や防衛を理由に地域の同盟国である中国に接近し、その結果、米国との関係は徐々に冷え込んでいった。
2022年10月13日/米カリフォルニア州のメキシコ料理店、バイデン大統領(Carolyn Kaster/AP通信)

パキスタンの外務省は15日、バイデン(Joe Biden)米大統領の核兵器発言を受け、在パキスタン・米国大使を召還したと発表した。

バイデン氏はカリフォルニア州で13日に行われた民主党レセプションの中で、核保有国であるパキスタンに言及した。

バイデン氏はまもなく3期目をスタートさせる中国の習近平(Xi Jinping)国家主席について発言した際、「パキスタンは世界で最も危険な国のひとつだと思う」と述べ、パキスタンの核兵器を「まとまりのない兵器(いつ発射されてもおかしくないの意)」と呼んだ。

パキスタンのザルダリ(Bilawal Bhutto Zardari)外相は15日、南部の港湾都市カラチで記者会見を開き、バイデン氏の発言に驚いていると語った。「私はこのような発言が誤解を生むと確信しています...」

バルダリ氏はバイデン氏の発言に不満を表明し、「核の安全性について疑問を感じているのであれば、今年3月にパキスタン領内に誤ってミサイルを発射したインドを非難すべきだ」と語った。

またパルダリ氏は米大使を召還したことに言及し、「パキスタンと米国の関係が悪化するとは考えていない」と強調した。

バイデン氏の発言は、パキスタン軍の司令官が米国を訪問し、オースティン(Lloyd Austin)国防長官およびサリバン(Jake Sullivan)大統領補佐官とハイレベル会談を行ってから1週間後に飛び出した。

パキスタンのシャリフ(Shehbaz Sharif)首相は先月、推定3000万人が被災した洪水の被災地に米国が多くの支援を提供していることに謝意を示していた。

中露寄りのカーン(Imran Khan)前首相は15日、バイデン氏の発言を厳しく非難した。

カーン氏はツイッターに投稿した声明で、「私たちは最も安全な核の指揮統制システムを持っている」と述べた。「パキスタンは世界中で戦争に巻き込まれてきた米国とは違います。パキスタンは侵略的な行動を取りましたか?」

他の政府高官もバイデン氏の発言を批判し、「パキスタンは責任ある核保有国だ」と主張している。

パキスタンは過去10年間、経済や防衛を理由に地域の同盟国である中国に接近し、その結果、米国との関係は徐々に冷え込んでいった。

両国の関係は米国がパキスタンを「タリバンの隠れ家」と批判したことで著しく悪化した。パキスタンはこの主張を否定している。

カーン氏は今年4月に不信任決議で追放されて以来、政府と司法を厳しく批判し、この決議を「米国の陰謀」と主張している。

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