◎8月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比8.3%。
2022年9月13日/ワシントンD.C.ホワイトハウス、バイデン大統領(Andrew Harnik/AP通信)

米国のガソリン価格はいくらか値下がりしたものの、インフレ率は高止まりし、人口の大多数を占める低中所得者層を苦しめている。

労働省は13日、8月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比8.3%になったと発表した。これで2カ月連続の低下となった。7月は8.5%、6月は9.1%。

しかし、食料、住宅、医療費は上昇し、より広範な低下を期待していた機関投資家を失望させ、ウォール街では売りが相次いだ。

ダウ平均株価とS&P500は3%以上、ナスダックは4%以上下落した。

インフレ率の高止まりは中間選挙を控えるバイデン(Joe Biden)大統領に強烈なプレッシャーをかけている。各紙の世論調査によると、バイデン氏の支持率は40%台前半と低い水準にとどまっている。

ガソリン価格が下がったことでバイデン氏の支持率はわずかに回復したが、主要メディアは11月の中間選挙について、上下両院で共和党が優勢と報じている。

調査会社イプソスは今週、「米国民はもう何ヶ月も前から、この問題が一番の懸念事項だと言ってきた」と報じ、インフレ率の高止まりがバイデン政権に大打撃を与えるという見方を示した。

中間選挙で共和党が過半数を奪取すれば、バイデン氏は極めて厳しい政権運営を強いられることになるだろう。

イプソスはバイデン氏のような支持率40%台前半の大統領が中間選挙が議席を増やすことは難しく、不可能と言っても過言ではないとしている。

SNSには食料価格の高止まりを懸念する投稿が数えきれないほど寄せられている。

値上がり率は地域によって多少異なるが、牛乳は1.5~2倍、卵も2倍、野菜や果物もこの数カ月で相次いで値上がりした。

ガソリン価格は下がっているものの、それでも昨年に比べるとはるかに高い。

ニュージャージー州で生活する23歳の学生はフェイスブックに、「本当に困っている」と投稿している。「学費は固定ですが、それ以外は何もかも高すぎる。高すぎるんだ!」

この12ヶ月間で食料は13.5%、住宅費は6.2%、医療費も5.6%上昇した。

インフレの大きな要因のひとつであるエネルギーコストも前年に比べるとはるかに高いが、この1カ月で10%以上低下した。

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