◎ナゴルノカラバフはアゼルバイジャンの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける分離主義勢力の管理下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。
2020年9月27日/ナゴルノカラバフ、アルメニア軍の兵士(Getty Images/AFP通信/EPA通信)

アルメニアとアゼルバイジャンは13日、係争地ナゴルノカラバフで戦闘が発生したと報告した。

アルメニア国防省は声明で、「アゼルバイジャン軍が13日午前0時5分にアルメニア軍拠点への集中砲撃を開始した」と報告した。同省によると、アゼルバイジャン軍はドローン、大砲、大口径火器を使用したという。

一方、アゼルバイジャン国防省は「アルメニア軍がナゴルノカラバフ国境付近で破壊行為を行った」と反論。迫撃砲などで攻撃を受けたと説明した。同省による、死者も数人確認されたという。

米国務省は新たな衝突に深刻な懸念を表明した。

ブリンケン(Antony Blinken)米国務長官は声明で、「紛争で問題は解決しない」と述べ、すべての敵対行為を直ちに停止するよう求めた。

ナゴルノカラバフはアゼルバイジャンの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける分離主義勢力の管理下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。

2020年に発生したこの地域をめぐる紛争では両軍合わせて6000人以上が死亡、数千人が負傷したと報告されている。両国は2020年11月、ロシアの仲介で停戦に合意した。アゼルバイジャンはナゴルノカラバフの大部分を奪還。アルメニア人は土地を追われた。

アルメニア軍は先週、ナゴルノカラバフ国境でアゼルバイジャン軍の攻撃を受け、兵士1人が死亡したと報告した。

8月にはアゼルバイジャン軍が兵士1人。ナゴルノカラバフの分離主義者は兵士2人が死亡したと報告している。

1980年後半に発生した最初の紛争ではアルメニア軍がナゴルノカラバフの広い範囲を占領した。この紛争では約3万人が死亡したと推定されている。

2020年の紛争はロシアの仲介で終結。それ以来、両国の首脳は恒久的な平和を確立するための会談を行ってきた。

アゼルバイジャンのアリエフ(Ilham Aliyev)大統領とアルメニアのパシニャン(Nikol Pashinyan)首相は今年4月と5月、EU仲介の会談でナゴルノカラバフの平和条約について協議を進めることに合意した。

パシニャン氏は13日、今回の衝突を受け、ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領とフランスのマクロン(Emmanuel Macron)大統領と別々に電話会談を行ったと明らかにした。

アルメニア首相府は声明で、「首相はアゼルバイジャン軍の挑発的かつ攻撃的な行動を非難し、両首脳に適切な対応を求めた」と述べている。

ナゴルノカラバフ紛争(Getty Images)
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