◎ポーランドで回収された魚の死骸は100トンを超えたと報じられている。
ドイツ政府は22日、ポーランド国境を流れるオーデル川で魚が大量死した問題について、いくつかの物質で汚染された可能性があると発表した。
環境省の報道官は記者会見で、「オーデル川の調査はまだ終わっておらず、初期調査のデータはいくつかの有機物と無機物で汚染されたことを示している」と説明した。
また報道官は、ポーランド政府高官がドイツを厳しく批判したことについて、汚染物質はまだ特定できておらず、やみくもに誰かを批判すべきではないという見解を示した。
オーデル川の源流点はチェコ北東部の山脈で、そこからポーランドとドイツを通過し、バルト海に流れ込む。延長は854km。流域面積約12万㎢のうちポーランド領内の面積は89%、チェコが6%、ドイツが5%となっている。
ポーランドで回収された魚の死骸は100トンを超えたと報じられている。
ドイツ環境省の報道官はひとつの化学物質が魚の大量死を引き起こしたという噂を否定し、「いくつかの物質、複数の要因が重なったと想定し、調査を進める必要がある」と語った。
一部のドイツメディアは「水銀が投棄された可能性がある」と報じたが、両政府は化学物質を特定できていない。
ポーランドで初めて魚の死骸が確認されたのは7月下旬頃だったが、ドイツにポーランド政府の汚染連絡が入ったのは今月2週目だった。
ポーランドの河川管理者は汚染の原因を調査しているものの、特定には至っていない。
一方、ポーランドのアンナ・モスクワ(Anna Moskwa)気候・環境相は先週末、「ドイツ政府はポーランドの農薬でオーデル川が汚染されたと証拠を提示することなく発表した」と非難し、怒りをあらわにした。
モスクワ氏はツイッターに、「ポーランドは農薬を厳格に管理しており、基準値以上の値に達したことはない」と投稿している。
ドイツ環境省の報道官はモスクワ氏のツイートに驚き、悲しい気分になったと述べた。「ドイツ政府はポーランドに汚染の責任があるとは言っていません...」
ポーランドのモラウィエツキ(Mateusz Morawiecki)首相はこの大量死を「大惨事」と呼び、「化学廃棄物が意図的に投棄された可能性がある」とフェイスブックに投稿している。