◎現場は首都アルジェの東約300kmに位置する地中海沿いの地域。火元は調査中。
アルジェリア政府は18日、北部のチュニジア国境付近で発生した山火事について、これまでに37人の死亡を確認し、161人が負傷したと発表した。
現場は首都アルジェの東約300kmに位置する地中海沿いの地域。火元は調査中。
消防によると、犠牲者の多くがチュニジア国境近くの集落内で発見されたという。この中には住宅火災に巻き込まれた5人家族や、山岳地帯の道路で炎に包まれた公共バスの乗客などが含まれる。
現場を視察した政府関係者は記者団に対し、「犠牲者の多くが観光客と聞き、落胆している」と語った。
テブン(Abdelmadjid Tebboune)大統領は18日、犠牲者に哀悼の意を表し、遺族に必要な支援を提供すると約束した。また、山火事に巻き込まれた農家にも補償金を支払うとした。この地域は農業が盛んなことで知られている。
消防によると、影響を受けた集落周辺の炎はおおむね鎮火したが、その他の地域では延焼が続いているという。他の地域の消防隊と軍が消火活動を支援している。
ソーシャルメディアには支援の呼びかけと連帯を求める投稿が相次いで寄せられた。
政府報道官は人工呼吸器、医薬品、包帯、シーツなどの支援物資を速やかに提供すると報告している。
報道によると、食料、水、毛布、衣類などを積んだ数十台のトラックがこの地域に向かっているという。政府は18日、多くの寄付が寄せられていることを受け、寄付を取りまとめる管理部門を設置すると発表した。
内務省によると、17日だけで新たに14地域で39の山火事が発生し、8月初旬以降の焼失面積は32㎢に達したという。
政府は火元を調査する委員会を立ち上げている。
テブン大統領は追悼声明の中で、犠牲者・遺族との連帯を表明し、すべての力を結集して山火事と戦い、必要な支援と補償を提供すると約束した。
アルジェリア北部ではほぼ毎年山火事が発生している。昨年の大規模火災では兵士33人を含む100人以上が死亡した。