◎魚が大量死した原因はまだ特定されていない。
2022年8月12日/ドイツとポーランドの国境付近を流れるオーデル川、魚の死骸(Patrick Pleul/ドイツ通信社)

ドイツ政府は15日、オーデル川で魚が大量死した問題について、ポーランド政府の情報開示が遅れていることに不満を表明した。

ドイツのレムケ(Steffi Lemke)環境相は地元メディアのインタビューの中で、ポーランド政府に透明かつ完全な調査を行うよう要求した。

またレムケ氏は「調査が完全なものでなければ、二国間の信頼関係は大きく損なわれるだろう」と警告した。

オーデル川の源流点はチェコ北東部の山脈で、そこからポーランドとドイツを通過し、バルト海に流れ込む。延長は854km。流域面積約12万㎢のうちポーランド領内の面積は89%、チェコが6%、ドイツが5%となっている。

ポーランド当局は先週、魚の死骸10トンを回収したと報告した。魚が大量死した原因はまだ特定されていない。

ドイツ通信社(dpa)によると、ドイツの河川管理部門は15日、バルト海に魚の死骸が流れ込むのを防ぐためにオイルフェンスを設置したという。

一方、ポーランドの河川を管理するポリッシュ・ウォーターズ(Polish Waters)は15日、死骸回収量が80トンに達したと報告した。

ポーランドのモラウィエツキ(Mateusz Morawiecki)首相は先週、「化学廃棄物が意図的に投棄された可能性がある」とフェイスブックに投稿したが、両国の調査機関は化学物質を検出できずにいる。

レムケ環境省はポーランド政府に不満を表明したうえで、EUの専門家よるタスクフォースを創設すると発表した。

オーデル川を挟んでポーランドと国境を接するブランデンブルク州の知事もポーランドから情報が入ってこないと不満を表明している。

ポーランドのモラウィエツキ氏は15日、「ポーランド当局は原因を突き止めるためにドイツと協力し、できる限りのことをしている」と反論し、ドイツ当局もまだ原因を特定できていないと述べた。

ドイツ環境省はオーデル川の水質調査結果を今週末に公表する予定である。

同省によると、大量死の原因は恐らくひとつではなく、干ばつと水位低下も何かしらの影響を与えている可能性があるという見方を示している。

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