◎パキスタンでは6月中頃から広い範囲で雨が続き、政府によると、この1週間の死者は確認できているだけで140人に達した。
パキスタン軍は1日、洪水に見舞われた南西部地域で救援活動に当たっていた軍のヘリコプターが消息を絶ったと発表した。
軍報道官によると、このヘリは南西部パルチスタン州で支援物資の移送や救助活動を行っていたという。乗員は6人で、救援活動を指揮する中将が同乗していたと伝えられている。
地元メディアは政府筋の話を引用し、「中将は被災地を視察する予定だった」と報じている。
軍報道官は記者会見で「ヘリの捜索を続けている」と述べたが、詳細は明らかにしなかった。
パキスタンでは6月中頃から広い範囲で雨が続き、政府によると、この1週間の死者は確認できているだけで140人に達した。この1カ月半の死者数は500人近くにのぼっている。
消防と警察の合同チームはパルチスタン州や南部の港湾都市カラチなどで救助活動を続けており、数千人を救助した。しかし、当局によると、複数の地域で数万人が救助や支援を求めているという。
政府は被災地に軍を派遣し、浸水地域に取り残された住民をヘリコプターやボートで避難させるとしている。
パキスタン国家防災管理庁(NDMA)が1日に公表したレポートによると、6月14日以降の大雨で民家約3万7000戸が全壊または損壊し、数万人が避難を余儀なくされたという。
シャリフ(Shehbaz Sharif)首相は1日にパルチスタン州を視察し、犠牲者に哀悼の意を表した。
シャリフ氏は1日のテレビ演説で、被災地に財政支援を提供すると約束した。洪水で自宅を失った人々は「連邦政府の対応は遅すぎる」と非難している。
パキスタンの雨季は9月中頃まで続く。気象当局によると、パルチスタン州を含む南部地域は今週も大雨になると予想されている。