◎ケンタッキー州では週半ばごろから雨が続き、東部の一部地域では広い範囲で浸水被害が報告された。
米ケンタッキー州政府は30日、東部の一部地域で発生した洪水について、子供4人を含む少なくとも25人の死亡を確認したと発表した。
ビシア(Andy Beshear)州知事はFOXニュースのインタビューの中で、「死者数は大幅に増える可能性があり、被害の全容解明には数週間かかるだろう」と述べた。
同州では週半ばごろから雨が続き、東部の一部地域では広い範囲で浸水被害が報告された。AP通信によると、ケンタッキー川の支流の水位は数時間で6mまで上昇し、観測史上最高を更新したという。
ビシア氏によると、救助隊はこれまでにヘリやボートなどで1200人以上を救助したという。
州の48時間雨量は多い地域で270mmに達したと報告されている。30日の天気は広い範囲で晴れたが、31日は再び雨が降ると予想されている。
専門家によると、ケンタッキー州でこの規模の雨が降ったのは数十年ぶり。東部地域で浸水被害に見舞われた老夫婦はAP通信の取材に対し、「50年ここに住んでいるが、洪水を経験したのは初めて」と語った。
ノースフォークの郊外で浸水被害に遭った男性はAPに、「洪水の恐ろしさを身をもって知った」と述べた。この男性によると、27日の現地時間午前1時頃に大雨が降っていることに気づき、その2時間後に自宅1階に水が押し寄せてきたという。
米国では今週初めから西部と中部の広い範囲で大雨が報告された。報道によると、洪水被害は東部バージニア州とウェストバージニア州まで拡大したという。
バイデン(Joe Biden)大統領は30日、ケンタッキー州知事の要請に基づき連邦災害を宣言し、深刻な被害を受けた少なくとも12の郡に連邦予算を割り当てるとした。
バージニア州知事も緊急事態を宣言し、南西部の被災地に要員と資源を割り当てると発表した。
ケンタッキー州の電力会社によると、30日午前の時点で州内の数千世帯(約1万8000人)が停電しているという。