◎パルチスタン州では6月中頃から雨の日が続いている。
パキスタン政府は27日、南西部パルチスタン州の広い範囲で大雨が続き、河川の氾濫や浸水に巻き込まれた数百人を避難させたと報告した。
パキスタン国家防災管理庁(NDMA)によると、パルチスタン州の被害は特に深刻で、橋、道路、電柱などのインフラ設備、建造物約4000戸が損壊したという。
パルチスタン州では6月中頃から雨の日が続いている。
同州政府報道官によると、豪雨災害による死者は確認できているだけで337人に達し、さらに拡大する恐れがあるという。
パルチスタン州に配備された兵士はヘリコプターやボートで逃げ遅れた人々を救助した。同州の死者数は26日時点で104人。
NDMAの報道官によると、パルチスタン州郊外の集落には数百人が取り残され、助けを待っている。
パルチスタン州政府は被災者に食料、水、医薬品などを提供している。同州政府報道官によると、人々は自治体が開設した避難所に身を寄せているという。
パキスタン軍は26日の声明で、「軍は被災地から住民を避難させる取り組みを州政府と共に進めている」とした。
世界保健機関(WHO)も今週、被災地でのコレラの蔓延を防ぐ予防接種キャンペーンを開始し、現地に医療キャンプを設置したと発表した。
報道によると、パキスタンではコレラの感染報告が相次いでおり、この数カ月で数千人が発症、少なくとも28人が死亡した。
コレラはパキスタンの風土病のひとつで、清潔な飲料水を入手できない地方都市で蔓延している。
保健当局は7月25日から抗コレラワクチンの接種キャンペーンを開始している。
パキスタンの雨季は9月中頃まで続く。