◎ギリシャでは北アフリカから流れ込む熱波の影響で高温・乾燥状態が数週間続いている。
ギリシャの消防当局は24日、首都アテネ郊外を含む複数の地域で発生した山火事が延焼し、6つの集落に避難指示を出したと報告した。
国営ラジオ・テレビ局ERTによると、古代オリンピア遺跡からそう遠くない村が炎に飲み込まれ、焼失したという。死者は今のところ確認されていない。
首都アテネ郊外の2つの村近くで先週発生した山火事は鎮火せず、住民数十人が避難を余儀なくされた。政府はこの2つと他の4つの村に避難指示を出し、自治体が開設した避難所などに退避するよう呼びかけている。
消防局の報道官によると、アテネ郊外には消防士125人、消防車43台、消防飛行機4機とヘリ4機を派遣しているが、鎮火の見通しは立っていない。ただし、風向きはアテネの市街地とは逆方向に吹いているため、都市部に避難指示が出る可能性は現時点では低いとみられる。
消防局の報道官は声明で、「25日に新たな山火事6件を確認した」と報告した。ERTによると、この3日間で発生した山火事は140件を超えたという。
ビーチリゾートとして知られるレスボス島で23日に発生した山火事は鎮火しつつある。当局によると、ホテルの宿泊客450人以上と住民が避難を余儀なくされた。
トルコ国境に近い北東部トラキアと西マケドニアで発生した2件の山火事は自然保護区を脅かしている。
ERTによると、西マケドニア、中央部、クレタ島の3カ所で25日に新たな火災が発生した。
希少鳥類が生息するダディアの森(Dadia Forest)では、消防士と救助隊が負傷した動物を保護した。
ダディアの森近くで発生した山火事も延焼し、近くの住民数十人が避難を余儀なくされた。
ギリシャでは北アフリカから流れ込む熱波の影響で高温・乾燥状態が数週間続いている。23日に到来した熱波は全国の気温を押し上げ、一部地域で41度以上の猛暑日を記録した。
予報官によると、この高温と乾燥状態は数日続くとみられる。